
４　行政立法が法律による授権の範囲を逸脱して制定された場合には，裁判所はその行政立法を違反とし，その適用を否定することができる。

５　地方公共団体における法律の執行は，その長の定める規則に委任されるのが原則であり，条例により法律を執行することはできない。

［問　９］　行政強制についての次の記述のうち，妥当なものはどれか。

１　無許可営業をしている者の不作為義務については，営業停止命令を出すことにより作為義務に変更すれば，行政代執行法に基づき代執行をすることができる。

２　代執行などの行政上の強制執行と，行政罰はその目的を異にするから，同一の義務違反に対し，強制執行と行政罰を併用することは可能である。

３　即時強制は公権力の行使であるから，公定力を有し，私人は権限ある機関にその取消し・差止めを求める以外の方法で，これに抵抗することはできない。

４　取消訴訟，国家賠償請求訴訟という公法的な救済制度は，法効果を有する行政処分に限定されるから，行政強制に関する救済制度は，民法の不法行為法となる。

５　行政庁が私人に対し強制を加えるためには，事前に私人に対し作為義務を課していることが必要であり，目前急迫の障害に対処するのは刑法上の正当業務行為である場合に限られる。

［問１０］　私人が公物につき，所有権を時効取得できるか否かに関する次の記述のうち，正しいものの組合せは，後記１から５のうちどれか。

ア　国有財産法では，行政財産について法律行為による私権の設定を禁止し，違反行為を無効とするとともに，時効取得も禁止していることから，公物についての即時取得は認められない。

イ　国又は公共団体は，私有の公物につき時効取得することが認められていないのであるから，私人にも公物の時効取得は認められない。

ウ　公物の所有権は国公有たると私有たるとを問わず私法上の私的所有権であるから，公用廃止前でも，何らかの負担のない所有権を取得できると解するのが最高裁判所の判例である。

エ　公物の保護によって確保される公的利益と時効制度の適用によって確保される私的利益を比較すると，前者が優先すると考えるべきあるから時効取得は一切認められないと解するのが最高裁判所の判例である。

オ　公共団体に所有権を移転することが予定されていた予定公物を，国から譲り受け，それが無効であることを知らないで占有していた者に，時効取得を認めるのが最高裁判所の判例である。

カ　公物であっても，長年の間事実上の目的に使用されず，公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合など黙示の公用廃止があったとみられる場合には，行政庁の明確な公用廃止の意思表示がなくても，時効取得できるとするのが最高裁判所の判例である。

１　ア　イ

２　イ　ウ

３　ア　エ

４　ウ　カ

５　オ　カ

［問１１］　行政事件訴訟法に関する次の記述のうち，正しいものはどれか。

１　行政事件訴訟法によれば，「行政事件訴訟」とは，抗告訴訟，当事者訴訟，民衆訴訟及び越権訴訟をいう。

２　行政事件訴訟法によれば，行政庁の不作為を争うことはできない。

３　行政事件訴訟法によれば，取消訴訟は，処分又は裁決があったことを知った日から３ヶ月以内に提起しなければならない。

４　行政事件訴訟法によれば，取消訴訟は，必ず審査請求を経てからでなければ提起することができない。

５　行政事件訴訟法によれば，取消訴訟は，処分又は裁決の相手方に限って提起することができる。

［問１２］　次の記述のうちに，現行法上正しいものはいくつあるか。

ア　行政手続法及び行政手続条例では，法律又は条例の規定に基づかない行政指導は許されないものと定められている。

イ　行政手続法は，地方公共団体の行政指導には適用されない。

ウ　行政手続法は，法律に基づく地方公共団体の行政処分には原則として適用される。

エ　行政手続条例は，地方公共団体の行政処分だけを対象にする。

オ　行政手続条例が，地方公共団体における行政手続について，行政手続法と異なる内容の定めをすることも許されないわけではない。

１　一つ

２　二つ

３　三つ

４　四つ

５　五つ

［問１３］　行政手続法に定める標準処理期間に関する次の記述のうち，誤っているものはどれか。

１　標準処理期間は，行政庁が申請を正式に受理した時点から進行する。

２　標準処理期間は，許認可等について諾否いずれの処分を行う場合であっても，その応答をするまでに通常要すべき標準的な期間とされる。

３　標準処理期間には，申請に対する補正指導の期間は含まれず，その間は標準処理期間の進行は停止するというのが通例の取扱いとされている。

４　標準処理期間には，行政庁が申請に際して行うことがある事前指導の期間は算入されない。

５　標準処理期間は，審査の進行状況や処分の時期の見通しについて申請者から問合せがあったときに，行政庁がその回答を準備する期間も含む。

［問１４］　行政上の聴聞手続における当事者の権利として，主宰者の許可がなければ行使できないものは，次のうちどれか。

１　文書等の閲覧権

２　行政庁職員に対する質問権

３　聴聞調書・報告書の閲覧権

４　陳述書の提出権

５　代理人の先任権

［問１５］　行政不服審査法に関する次の記述のうち，正しいものはどれか。

１　日本国憲法が施行される以前には，行政不服審査法に対応する法律は存在していなかった。

２　行政不服審査法が定める「不服申立て」には，異議申立て，再異議申立て，審査請求及び再審査請求の４つの種類がある。

３　行政不服審査法によると，外国人の出入国又は帰化に関する処分についても不服申立てをすることができる。

４　行政不服審査法によると，行政庁の処分についての異議申立ては，申請者は，異議申立て又は審査請求のいずれかをすることができる。

５　行政不服審査法によると，行政庁の不作為については，申請者は，異議申立て又は審査請求のいずれかをすることができる。

［問１６］　行政不服審査法に関する次の記述のうち，誤っているもの
